August 05, 2008

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編

ゴミ投資家シリーズで有名な「海外投資を楽しむ会」設立10周年企画として刊行された「黄金の扉」シリーズの1冊。
この本は海外ETFを中心に個人投資家が投資すべき商品を紹介した実践編だが、これ以外に理論編としての「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」(まだ途中までしか読んでない・・・)と実践編の姉妹編として「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券会社編」がある(究極と至高は美味しんぼを意識してますね)。
既に海外の証券会社を利用している自分としては、3冊の中でもこの1冊が非常に役立った。
米国のETFについては、自分も分析していたつもりだったが、仕事でちょっと目を離した昨年以降に数多くの新規ETFが設定されていたことは、この本で初めて知った(例えば、RICI(ロジャーズ国際 コモディティ指数:Rogers International Commodity Index)に連動するETFが設定されたこととか)。
1000以上のETFが投資セクター別に丁寧に分類されており、かつ、流動性についても評価が加えられているところが、これまで書店に並んでいたETF解説本とは違うところだ。
一連のゴミ投資家シリーズには知らないことが多く書かれており、かなり刺激を受けたものの、その後のシリーズはやや物足りなかっただけに、久しぶりに読みがいのある1冊といえる。
このETFのリストを見ると、国内の投資の選択肢はまだまだ狭いと実感させられた。

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January 08, 2007

プロが絶対買わない金融商品

元々は外資系金融機関でオプション商品等を開発していた永野氏が書いた本。
購入して全部を読んだわけではなく、書店で斜め読みしただけではあるが、お勧めしない商品の感覚が自分と非常に良く似ていた。
個々の商品単位で短くかつ明快な解説(いかに金融機関が儲けようとしているか)があり、自分の気になる商品から読める構成もよい。
あと、オプション等を組み込んでいない単純な債券について、(当たり前すぎてか)他の本や雑誌では意外に指摘が少ない「金利高=信用リスクをとっている」という点にも触れられている。
唯一、勧めていた商品が定額貯金と個人向け国債だったが、円金利ものではこの2つが確かに理論的には??と感じるくらい消費者側にお得な商品だと思う(個人向け国債は自分でも購入している)。
ともに、民間金融機関の商品ではなく、利潤よりも政策を意識していたからこのような商品性が実現できたといえるので、定額貯金については民営化に伴い、仕組みが改められると思うが。
残念ながら、株式セクターではお勧め商品はなかったが、現物株式への投資は何もコメントがなかったようなので、悪くはないということだろうか。

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November 02, 2006

ヒルズ黙示録 検証・ライブドア

ライブドアの一連の事件を、楽天や村上ファンドの動きを絡めながら、丁寧に取り上げた本。
取材を通じて得た当事者のコメントを中心に効果的に文章が組み立てられており、読んでいて納得させられる部分が多い(それが真実かどうかは別として)。
ライブドア幹部の異なる個性・それぞれの強みがうまく補完しあって機能していたんだな、と意外に感じた。
この本を読む限り、彼らの行為は非難はできても、違法性の立証は比較的厳しいような気がしてしまうが、ライブドア幹部、特に容疑を否認している堀江元社長の裁判が最終的にどのようになるか注目したい。

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August 19, 2006

貧乏人のデイトレ金持ちのインベストメント

「外資ファンド利回り20%超のからくり」で有名な北村慶氏の著作。
前回と異なり、今回の本は個人投資家が負けない運用をするための考え方を、国民年金等の運用を担っている「年金資金運用基金」での実例をひきながら、ていねいに説明している(個人的には題名がやや内容とリンクしてないようで、損している気がするが)。
本書の内容は、アセットアロケーションの重要性が中心となっており、「年金資金運用基金」と同様、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式という分類でのアロケーションを例に、効率的ポートフォリオ構築の考え方を説明しているが、個々の分類下での具体的な運用方法(どんな商品に投資するか)までは説明がされていない(唯一、国内株式については、自前「株式ファンド」の作り方について説明があるが)。
ただ、基本的に「β(ベータ:市場、インデックス)」に追随することを推奨していることから、例えば、「年金資金運用基金」がベンチマークとしているインデックスに連動するファンドをアロケーションの比率に沿って定期的に定額積立することが本書の内容に沿った投資手法といえるだろう。
これから投資を考えていく初心者向けに1冊で「長期投資」の考え方が説明されている良書だと思うが、初心者は具体的な銘柄選択で悩むだけに、特に外国債券や外国株式については、具体的なインデックスファンド名なども例示してあるとわかりやすかった気がする。
また、為替ヘッジ型のファンドへの評価を含め、為替に関する著者のスタンスがあまりはっきりとしていない点も初心者にとってはわかりにくいかもしれない。
北村氏の著作(まだ2冊しか読んでないが)は、章ごとに簡単なまとめが掲載されており、一読した後にそのエッセンスを再度把握しやすい構成になっており、参照度・定着度という点でこれまで読んだ本の中でも群を抜いている。
今後も個人投資家の投資手法(特にオルタナティブな領域を含めた具体的な銘柄選定)について、出版していただければと思う。

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August 15, 2006

外資ファンド利回り20%超のからくり

実際に金融機関に勤務する北村慶氏の著作。
「企業買収ファンド」「企業再生ファンド」「不動産投資ファンド」「ヘッジファンド」の実態を解説する中で、これらの共通項として、
「収益の源泉となる歪みを見つけ出すこと」
「歪みを増幅させ収益を拡大するレバレッジを用いていること」
「リスクを抑制するために投資対象や投資手法を分散していること」
「プライベート・何でもあり・結果主義などといったファンド・カルチャー」
をあげている。
こうした解説は非常に丁寧でわかりやすいが、では、個人投資家がこうしたファンドの恩恵に与ることができるかについては、あまりはっきりと述べていない。
4つ目のファンド・カルチャーを考えれば、私募であることが前提で、個人投資家でも投資額は相当程度大きな額になると思われるし、本書の中で引用されている、個人投資家向けに小口のヘッジファンドを販売しているマン・グループCEOの言葉を借りれば、富裕層からマス層になるほど情報開示が求められ、情報開示が求められるほど、運用成績は凡庸なものになるというのが、実際のところだろう。
最近、個人投資家向けの日本の公募ファンドにも上記の手法をウリにしたものが出てきたが、あまり期待できないということか。
彼の次回の著作は、個人投資家の投資手法に的を絞っているようなので、あわせて読んでみたい。

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August 05, 2006

投資銀行-日本に大変化が起こる

興銀出身の岩崎日出俊氏が、J.P.モルガンやメリルリンチといった投資銀行で自らの経験を踏まえて書かれた本。
投資銀行がいかに顧客のことを第一義に考え、ハードな仕事をしているか、具体的な事例とともに書かれているので、非常に興味深く読むことができる。
同時に、投資銀行業務への拡大を標榜している日本のメガバンクが、外資投資銀行に比べて、いかに力不足かについても伝わってくる。
この本では、KKRの上陸で、日本においても本格的なM&A時代が到来すると書いているが、今回の北越製紙の件を見ていると、敵対的TOBをしかけた王子製紙はもちろん、野村證券がそのアドバイザーについたことも、日本企業自身の考え方も変化している兆しに思える。

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June 25, 2006

内藤忍の資産設計塾

資産運用の考え方について、非常にわかりやすくまとまった本。
筆者の内藤氏はマネックス証券の関係者であるが、資産運用に対する具体的な解決策(投資先商品)は、基本的にマネックス証券が取り扱っているものの中から提示されている。
内藤氏が推薦できる商品をマネックス証券が取り扱っているのか、マネックス証券が取り扱っている商品を内藤氏が推薦しているのか、この本の総論部分は素晴らしいだけに、各論の商品部分についても、もう少し客観的な記述があるとよかったと思う(一方で、自社で扱う商品でないと、メリット・デメリットも含め、無責任に記述できないという筆者の良心があったのかもしれない)。
この本に従って、現在の自分のポートフォリオを分析してみると、
流動性資産 24%、
日本株式 23%、
世界株式 14%、
日本債券 9%、
世界債券 20%、
その他 10%
となっている。
最近の自分自身の投資スタイルは非常にボトムアップ的な動きが多く、トップダウンでアロケーションを意識することが減っているような気がするので、この本はいいタイミングで初心(My Asset Allocation)を思い出させてくれた感じだ。

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June 18, 2006

10億円を捨てた男の仕事術

マネックス証券CEOの松本氏が書いた「仕事に対するスタンス」の本。
仕事術としては正統派の部類に入ると思うが、こうした仕事術の中で松本氏が多額の利益が転がり込む目前のゴールドマン・サックス証券から転じてマネックス証券を立ち上げた理由等が垣間見える。
この本の中で、仕事において「Credibility」を重要視していると述べているが、松本氏が仕事に関係なく、生まれついてそういう人なのか、「Credibility」さえもビジネスのネタにする人なのか、非常に興味があるところだ。
マネックス証券のメールで「つぶやき」というコーナーを毎日欠かさず続けていることは、ディスクローズや松本氏がこの本の中で重要視している「コミュニケーション」という視点からは、尊敬・賞賛に値すると思うが、本当にこうした点が彼自身の中で最上位の規範なのか、マネックス証券というブランドイメージ構築のための業務の1つにすぎないのか、一度会って確かめてみたい(今年も株主総会には出席できそうにないが)と常々思っている。
もともとは、松本氏に期待して、マネックス証券で口座開設したが、個人的に気になっているところは、以下のとおり。
・マネックスの専用投信「ザファンド@マネックス」の信託報酬は2%とベラボーに高い(信託報酬が安いと運用体制等に影響が出る(いわゆる「安かろう、悪かろう」)というのが内藤氏を含めたマネックス側の主張だが、なぜ運用体制が同じ「DKA株式オープン」を提供することを考えなかったのか・・・確かに「DKA株式オープン」は日本株式のアクティブファンドとして正統派とは言えないが)
・松井証券の松井社長との共著『「株式投資」改革宣言』の中では、「われわれの役目のなかには、信用取引の提供はないと考えている。」「マネックスのほうは、設立の趣旨からしても、目指す方向からしても、信用取引を提供する必要はないし、提供しないほうがよいと思っている。」と信用取引を否定していたが、信用取引を導入し、さらには、いわゆる「マネックスショック」を引き起こしてしまった
・「マネックスショック」における種々の噂について、個人投資家に対する明確な説明(噂の否定)がない
ただ、起業した当時のマネックス証券と違って、日興ビーンズ証券との合併等、利害関係者が膨らんできており、従来よりも松本氏が好き勝手にできなくなっている可能性もある(特に後者2点の信用取引関連については)。
この本の中で、「私はマネックス証券を立ち上げる際、自分が思う理想の会社を創ろうと考え、それを実行に移しました。自分がやってみたいことを仕事にしているため、他のビジネスパーソンに比べ、格段にストレスが低いのです。」と述べているが、最近の松本氏はストレスを感じることが多くなったのだろうか?

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June 03, 2006

株式投資これだけはやってはいけない

山一証券でトレーダーをしていたこともある東保裕之氏がDLJディレクトSFG証券(現在は楽天証券)のホームページで連載していた株式投資に関する常識・非常識をまとめた本。
投資関連の書籍は、文庫化されると、価格も安くなるし、書籍発売から文庫化されるまでの最新の情報を反映してくれたりと、非常にコストパフォーマンスがよいが、この本も文庫化に際し若干加筆修正されている。
山崎元氏の本が経済合理性の観点から、販売会社主導の投資のカラクリをひも解き、一般に信奉されている投資手法に疑問を投げかけているのに対し、この本は、株式投資において、市場における影響力の強い(資金量の多い)機関投資家やトレーダーの投資手法・迷信をフォローすることで、無用の対立を避け、負け幅を少なくすることを目指そうとしている。
従って、この本では、経済合理性の観点からは「?」となる部分も含めて、いろいろなテクニックが紹介されているが、東証第一部と新興市場での対応を分けて考えたりする辺りは妙にリアルな感じがしてしまう。
ありがちな儲かるためのテクニック(ただの結果論!)を披露していない点では信頼できる本だと思うが、鵜呑みにして画一的な考え方をしている限り、ウラをかかれて「カモ」にされるリスクは残る。

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April 30, 2006

サラリーマン・リカバリー

大前研一氏の著作。
今後のサラリーマンに必要なスキルについて、「コンピュータ」「外国語」「ファイナンス」が21世紀の“リカバリー3種の神器”と述べている。
また「論理的であること」「事実を提示すること」は、主観的な条件によって解釈がぶれない、世界の共通言語であり、物事を解決し、人を説得していく上で、そうした考え方を身につけることは必要不可欠とも述べている。
確かにコンサルタントに求められることは、そうした考え方かもしれないが、普通の企業の中では、本当に「論理」や「事実の提示」だけで物事が解決するとは限らない。
上記の3種の神器も含めて、スキルを持っていることと、実際に仕事ができることとは、やはり違うような気がする。

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